指差し。

指差し。NPの記事で、一人がこれでもかと叩かれている。

 

しかしだ、村田マリ氏だけを一気に叩くのは、改めて言うが間違っている。

 

表に出て来た情報だけで新たしい順に辿って行くと、次の通りだ。

 

記者会見に、村田マリ氏が出ていない、確かにこれは事実だ。これに対して守安氏の回答は何とも歯切れが悪い。体調不良と"も"聞いている、とはどういうことなのか。誰から聞いたのか。帰国するよう促したのかそうでないのか。あるいは、衆目に触れさせないようにしたのか。

ここがクリアにならない限り、彼女が未だに沈黙を守る事に対して、一方的に書くのはフェアではない。

しかしながら、彼女もメディアを通じて発信することも、可能だ。それをなぜしないのか。DeNAの恩義を感じてなのか。PRの助言で沈黙を守り、かのスーパーマリオランがリリースされて(恐らくこのリリースは賞賛される、Appleの新製品発表会でアナウンスされたものが、どうして徹底的な批判にさらされようか。)、信用問題が風化されるのを待つ戦略なのか。

 

この会見に先立って、NPの記事からは、内部で話し愛が持たれたとある。記者会見でも、土日、つまり12月3,4日に取締役会が開かれたとある。

ここで、現状の認識は共有できているはずだ。

 

その前に、守安氏のインタビューが11月には行われており、自身の認識の甘さ認めている。これは、つまりどこかのタイミングで、何らかの承認を出したと言う事だ。承認を出す際に、承認するよう部下から説得され、なし崩し的に出したのか、それとも、結論が出なかったために采配を下したのか。それでも意味合いが違ってくる。つまり、NP等で高まりつつある、村田氏に騙された論なのか、そうでないのか。

 

もっと遡ると、9月ごろにはちらちらWelqの検索順位の高さが指摘されバズりつつあったが、その時はどうだったのか。

 

もっと前にはどうだったのか。

 

Welqをリリースする時はどうだったのか。

 

記者会見では、レポートラインと、外部への発注形態しかとどのつまり明らかになっていない。

 

記者会見でもあった通り、三者三様、あまり細かなところまで把握しきれていないということを信じるならば、おおよそリリースから炎上に至るまで、経営陣はKPIのみを見ていただけなのかもしれない。

Welqは流行りの写真画像もさほど必要なく、テキストが主体だった。他の流行を追うキュレーションサイトと異なり、画像の著作権問題が出ないということで、Welqはむしろ優良コンテンツと見なされていたかもしれない。

Welqの当初のビジョンである、ライトなヘルスケア情報、もしこれが、Welqチーム全体と共有されていなかったとしたら、そしてKPIを達成することがPDCAの目的だったとしたら。

良質なコンテンツ作成というビジョンが共有されていなかったとしたら。

良質、の意味が、他社の記事のリライト程度の、引けは取らないけれども優越するまではいかない、態度で良いという認識であったとしたら。

 

 

 

現在進行中の欠席裁判では何も進展しない。

問題は、DeNAがグレーな部分、みんなやっているから大丈夫だろうという感覚を、完全に断ち切れるかどうかだ。

 

 

 

個人的な感想だが、私は村田氏はまだ人間味があるように思う。サイコパスとレッテルを貼られるほど、振り切れてもいないはずだ。たられば論になってしまうが、もし彼女が仮に買収されずに、トップとして事業を継続していたら、このような事にはならなかったように思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

チャンスを与えたかった

DeNAの、かの記者会見において、過去に問題を起こした者の雇用について問われたとき、南場氏のからは、

「チャンスを与えたかった。」

との回答があった。

 

この回答について、

 

リスクのある人物の採用

 

を、不安に感じるか感じないかについては、議論の余地があるように思う。例え、村田マリ氏に近かったとしてもだ。

 

不安の度合いが高い順に、採用、裁量を考慮して、

⑴不採用にする

⑵条件付きで採用する、例えば最低限の裁量しか与えないなど

⑶採用するが、他の社員と同じ待遇にする

⑷採用し、他の社員より裁量を与える

 

が考えられる。

 

実際がどうであったかは、知る余地がないが、

現実には⑴と⑵にものすごく壁があるのではないか。実際、大手企業ほど、採用には何重もの面接という慎重な選定ステップがある。

 

その壁を簡単に超えられてしまった、その事実が何を意味するのか、じっくり考えたい。

 

DeNAについて、自分だけは悪くない説についての考察

なんともお粗末で、小物ながら、関係者全員悪人、のような様相を呈しているので、第三者委員会ならぬ、第四者個人委員会と自称して今回の事件を追っていきます。

 

まず、このWelq炎上から端を発した騒動ですが、風化させないためにも、現状流れている擁護論をまずは切り分けます。

事実としてあるのは、東証一部上場企業であるDeNAがWelqというライトな健康情報のキュレーションプラットフォームに於いて、著しく不正確な医療情報を量産したということです。現代のインターネット検索という非常に公共性の高いサービスにSEOをかけて、その大量な記事をユーザーが嫌が応にも目に入れてしまうという、嫌なら読むなもできない状況にしました。その結果、不特定多数の人に、嘘情報にアクセスするという非生産的時間が発生しています。また、それに伴う混乱、良質な情報へのアクセスのし易さの低下、ついには間違った意思決定、例えば無駄な健康食品の摂取や傷の手当てなど、が行なわれた可能性もあります。

 

さて擁護論ですが、個人調べで以下のようなものが見られました。

⑴親会社のDeNAは悪くない説

全ては子会社が暴走したことであって、DeNAはむしろ投資金も水の泡の被害者だ理論。

まずこれは、会社のマイルストーンとしてキュレーションプラットフォームを中心とした新規事業を次の柱としていたので、被害者面は無理があります。最終的にこの子会社を売却しようが解散しようが、最後まで親会社に責任が発生します。

⑵会長の南場氏は悪くない説

一線から退いているし、著書やインタビューからとても良い人柄に感じるし、しかも最愛の伴侶を亡くしたばかりで可哀想だし、南場氏は悪くない理論。

彼女が子会社に惚れ込んでだいぶ持ち上げていたのは明白で、それに疑問を呈する事が出来た周りも、進言しづらい部分はあったはずです。またさらに、子会社の倫理観を早めに見抜いて、正しい方向へ導く機会もあったはずです。彼女にも倫理観が欠如していたとするならば、それは別次元の話になりますが、期待を裏切られて残念、と居直るほど厚かましい態度は取れる立場にありません。

⑶社長の守安氏は悪くない説

何も知らされていなかったし、全ては部下が暴走したことだし、守安氏は悪くない説。

子会社の代表が某ブログに書いてあった通り、チャットでもビデオ会議でも、簡単に捕まった、つまりそれだけ報告も上がっていたということです。そこで知り得なかったとしたら、部下やその周りへのコミュニケーション不足です。また、品質管理のプロセスが抜けていたと、よくある原因分析の言い訳を記者会見で挙げていましたが、品質管理がすっぽり抜けているというのは、何かしらのプロダクトを出す企業としてはとても考えられず、この一点だけを見ても、利益重視・顧客軽視のDeNAの体質がよく表れています。

⑷子会社は悪くない説

過酷な利益追求と圧力に耐えかねて、そして親会社が止めてこなかったから悪くない理論。

実動はここですし、少なくともWelqの記事をライトな健康情報に留めておく努力はできたはずです。

⑸村田マリ氏、とその取り巻きは悪くない説

これに関しては擁護論を一切見た事がなく、本人自身も非常に個性的な方との情報も出ているため、敢えてリストしました。今回の騒動では、村田氏個人とその取り巻きに責任を全てなすりつけ、DeNAはあくまでも被害者のような立場といった意見が散見されています。むしろ、村田氏に罪を着せることで、事の本質を矮小化するべきではないというのが私の意見です。

 

そして、厄介なのが次の二つ

⑹DeNAの社員である僕たち私たちと、⑺村田氏の下に出向させられた本体からの社員である僕たち私たちは悪くない説

 

いや、君ら、だいぶ悪いから。子会社の代表のせいにしようっても、そうはいかないから。

 

DeNAは、

すごい人材が沢山いる

自分も成長できる

フラットに意見を言える環境

 

なるほど。

 

エンドユーザーに一番近い君らは、トンデモ記事が日々ネットを汚しているのを見ていたよね?

学歴があって卒論、修論、あるいはD論それぞれ書いた事がある人たちいっぱいいるよね?

世に出す文章として、リファレンスを書かずに怪しげな情報を載せるっておかしいよね?

軽く、引用とかどうしよっかなって考えるよね。

むしろ考えなかったんなら、君ら学校で何習ってきたのって感じだよね?

いくらプラットフォームとはいえ、何でもかんでも垂れ流していいわけないよね?

君らが体調崩した時、ネットで何かしらの検索かけたでしよ?

これ正直使えねーなって思わなかった?

少なくとも、会長さんは2011年にはネット医療情報に見切りをつけていたみたいだけど?

PVだけ稼げれば、本当にいいのかな?

君ら、お互いをすげーすげー言い合って、自分たちの会社がネットをゴミだらけにしている事に対しては、上申すらしなかったわけ?

 

 

 

というわけで、みんな悪くなくてみんな悪い。さいごは感情論ですけれど、一人一人が自分にできたことはなかったのか考えるときだと思いますし、

すげーすげー言い合ってた彼らの会社って本当にすごいのかが甚だ疑問で、こんな雰囲気が持て囃される社会であってほしくないとの気持ちです。

 

 

世の中の第一線の企業は、本当に真面目に成果を積み上げてきて今日の地位があります。

今やるべきは、業務プロセスの改善や新規事業の戦略とかでもいいんでしょうが、まずは皆さんで他の企業行動倫理あたりを学ぶことではないでしょうか。

企業としての倫理、まずはこれが改められなければ、DeNAはまた同じような騒動を起こす事になるでしょうね。